本郷散策 小石川・後楽園・本郷・散歩ガイド

本郷菊坂 明治の面影を残す街

本郷菊坂は、本郷三丁目の交差点の脇から言問通りまで約600m続く緩やかな坂道です。
文京区内でもめずらしくなった古い家が残る貴重なエリアで、私の一番のおすすめ散歩スポットです。
菊坂という名は、昔このあたりが菊畑だったことに由来するそうですが、もちろん現在はありません。
菊坂沿いには、商店や住宅、マンションなどが建ち並ぶため、一見下町の雰囲気はあまり感じられないように思えますが、菊坂と平行に走る菊坂下道(したみち)と呼ばれる狭い道が南側にあり、そこからさらに一歩路地裏に入ると下町情緒漂うエリアが広がります。
明治時代の女流作家 樋口一葉の住居跡があることは知られており、一葉が新五千円札の肖像になってからは以前よりも観光客の数が多くなったように思えます。
また、宮沢賢治も菊坂に一時期住んでいて、ここから東大赤門前にある印刷所・文信社に通い、働きながら詩歌の創作活動をしていたようです。

最近は立て替えなどによって下の写真のような古い平屋は残念ながら少なくなってしまいましたが、周辺を散策すればまだまだ風情のある建物も残っているので是非お散歩してみてはいかがでしょうか。
本郷菊坂 長屋

下の写真は菊坂と菊坂下道を結ぶ階段です。
菊坂の街並み

菊坂には樋口一葉旧居跡以外にも所々に井戸があり、現在も住民の方たちの生活に使われているようです。
菊坂の井戸

菊坂下道の脇には、昔ながらの瓦屋根に煙突がある銭湯「菊水湯」があります。浴室の壁には富士山の絵が描かれている東京の正統派銭湯です。
菊坂の銭湯菊水湯

【菊水湯案内】
住所東京都文京区本郷4−30−16
電話番号:03-3815-2637
営業時間:午後3時半から午前1時
定休日 :金曜


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本郷菊坂 樋口一葉の旧居跡と伊勢屋質店

樋口一葉と言えば、五千円札の肖像でおなじみの明治時代の女流作家。その樋口一葉の旧居跡が文京区本郷菊坂にあります。
一葉はこの地で18〜21歳の2年11ヶ月、洗い張りや針仕事などの内職をして母と妹の3人で貧しい生活していました。
そしてここから10分ほどの安藤坂にあった歌塾 萩の舎(はぎのや)に通い、明治25年(1892年)年処女小説「闇桜」が雑誌『武蔵野』に掲載され小説家としてデビューを果たしました。
その後一葉は、下谷龍泉寺町・本郷丸山福山町へと転居を繰り返し、明治29年(1896年)肺結核によりわずか24歳という短い生涯を閉じました。その短い生涯のうちに、「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」「わかれ道」といった数々の秀作を発表しています。

樋口一葉旧居跡は路地裏の見つけにくい場所にありますが、入り口には目印の看板があります(下の写真)。この辺りはごく普通の住宅地なのでなるべく静かに見学しましょう。
樋口一葉旧居跡入り口

看板の横の路地を入っていって井戸があるところが樋口一葉菊坂旧居跡です。一葉もこの井戸で水を汲んだそうです。今でも住民の方たちが使用しているようです。
樋口一葉の井戸

井戸の突き当りには階段と風情のある建物があり、通り抜けできますが、住民のご迷惑になるためこれ以上進まないように。(注意書きが手すりに書いてあります)

菊坂周辺は、文京区内でも貴重な下町情緒残る地域のため、休日にはカメラを持った観光客の姿をよく目にします。しかし、東京ドームやラクーア、講道館から目と鼻の先にこのような場所があることは意外と知らない人も多いようです。
菊坂一葉住居跡

樋口一葉住居跡から菊坂をはさんで反対側に一葉が通った伊勢屋質店があります(下写真)。樋口一葉は度々この伊勢屋質店に通い、苦しい家計をやりくりしていたそうです。一葉がこの地から転居した後も伊勢屋質店との縁は続いたようです。土蔵の外壁は関東大震災後塗りなおしましたが、内部は当時のままだそうです。
内部は一般公開していませんが、樋口一葉の命日の11月23日には無料で見学できるそうです。
この先のポストを右に曲がり、急な坂を上ると本郷の旅館街があります。修学旅行生や外国人の宿泊客をよく見かけます。東京大学もすぐ近くです。
樋口一葉ゆかりの伊勢屋質店

菊坂樋口一葉旧居跡の住所:東京都文京区本郷4丁目32 
かなり入り組んだ路地裏なので地図は必需品です。


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本郷旅館街と巨大木造アパート「本郷館」

本郷界隈には昔から旅館が多く、リーズナブルな料金設定と交通便の良さで、修学旅行生の宿として利用されています。
修学旅行シーズンには、いたるところでディズニーランドの手提げ袋を持った中高生の集団を見かけます。
修学旅行生以外にも、近くにある柔道の総本山「講道館」の大会参加者、東京大学の受験生、会議、同窓会などに幅広く利用されているようです。
また、本郷の旅館は、都心の旅館とは思えないほど情緒あるレトロな佇まいのため、外国人観光客にもたいへん人気があるらしく、入り口の歓迎看板に英語名が書かれているのをよく目にします。

地元に住んでいるのでなかなか宿泊する機会はありませんが、是非一度泊まってみたいのがなんといっても「鳳明館」です。
鳳明館は、本館・台町別館・森川別館と3館あり、どれも味のある純和風旅館という感じのすばらしい旅館で、なかでも本館は登録有形文化財に指定されています。

↓こちらが鳳明館本館です。
本郷旅館鳳明館本館


下の写真は鳳明館台町別館。本館のすぐ隣にあります。右に行くと本郷菊坂です。
本郷鳳明館 台町別館

鳳明館の場所はこちら

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本郷の旅館は路地にあるため道が分かりにくいですが、本郷3丁目交差点(春日通りと本郷通りの交差点)の交番の裏に旅館街案内図があります。
本郷旅館案内図

↓こちらは森川別館。本館・台町別館から少し離れています。
玄関の向かい側には築100年の巨大木造アパート「本郷館」があります。
本郷鳳明館 森川別館

↓こちらが木造三階建ての学生下宿「本郷館」です。横の坂を下りると言問通り。
木造アパート本郷館

本郷館は、明治38年(1905年)に建築された木造三階建ての下宿屋で、築100年以上経った今でも学生さんが住んでいます。
玄関に「見学お断り」の張り紙がしてあるので建物の中に入ったことはありませんが、聞くところによると、トイレ・炊事場は共同で、中庭があり、部屋はなんと70部屋もあるそうです。
関東大震災や東京空襲にも耐えたその姿には風格が漂います。本郷界隈のお散歩にこの本郷館と旅館街は外せません。


本郷菊坂 金魚坂の不思議

本郷菊坂から路地に入ると金魚坂という350年続く金魚・錦鯉の卸問屋があります。
都心の真ん中に金魚の問屋さんがあること自体驚きですが、それ以上に驚くのは併設しているレストランのメニューです。(金魚屋さんがレストランをやっていること自体驚きですが)
たとえば「金魚坂御膳・煮魚」「金魚坂御膳・焼き魚」「金魚すくい御膳」など、まさか金魚の煮付けに塩焼きか?と思わせてしまうネーミングです。
「金魚すくい御膳」に至っては、自分ですくった金魚を活き作りにするのか?と気になって仕方がありません。
もちろん金魚を調理しているわけではなく、実際はごく普通の煮魚や焼き魚などの定食なので安心して食べられます。また、驚くことに本格的な懐石料理のコースまであり、最上級のコースは前菜・土瓶蒸し・焼き物・刺身・他の全8品にデザート・飲み物付き7000円で要予約です。これはなかなか侮れない金魚屋さんですね。
是非一度最上級のコースを食べてみたいものです。

さらに名物はビーフ黒カレー(1700円)で、辛さはあまり感じられませんが、香辛料が豊富に使われていてなかなか美味しいカレーです。

金魚坂は、レストランというよりは喫茶店に近い雰囲気で、こだわりのコーヒーと中国茶を飲みに行くだけでも十分楽しめます。
また、多目的スペースとして利用することもでき、ときおりコンサートも開かれています。

地図はこちら

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↓菊坂からの入り口はこの電柱が目印です。写真手前が本郷通り方面、奥が菊坂下方面です。
菊坂金魚坂

↓この狭い坂を登って左手にあります。
本郷金魚坂

お店の看板に「珈琲 中国茶 お食事 葉巻」と書かれてるように、「金魚坂」は何でもある不思議なお店です。(葉巻まで売っています)
菊坂レストラン金魚坂

↓がレストラン金魚坂の入り口
本郷金魚坂

メニューの一部です。これ以外にもいろいろあります。
金魚坂メニュー

本業の金魚屋さんのほうもすばらしく、問屋さんだけにいろいろな種類の金魚が池で飼育されて、見るだけでも楽しめます。
本郷菊坂金魚問屋

金魚問屋ですが、小売もしています。さらに釣り堀まであり、ちょっとしたテーマパークのようです。本郷菊坂の散歩のついでに寄ってみてはいかがでしょうか?
本郷金魚屋さん
金魚坂
東京都文京区本郷5-3-15
TEL:03-3815-7088
営業時間 11:30〜23:00
月曜・祭日休み

東京大学 本郷キャンパス

本郷といえば東京大学(東大)を思い浮かべる方が多いでしょう。
本郷キャンパス(法学部、医学部、工学部、文学部など)と弥生キャンパス(農学部)がここにあり、本郷キャンパスは、東大の中で最も有名なキャンパスで、医学部付属病院・赤門・安田講堂・三四郎池などがあります。
弥生キャンパスには地震研究所があり、弥生式土器が発見されたのもこのあたりです。

こちらが東京大学の正門。本郷通りに面しています。東大と言うと赤門を想像しますが、赤門は正門ではありません。
東京大学正門

正門をくぐり銀杏並木を進むと、正面に東大の象徴とも言える安田講堂(正式名称:東京大学大講堂)があります。1968年(昭和43年)の東大紛争の舞台になった建物です。イチョウが黄色く色付くころがすばらしい。
東京大学安田講堂

東京大学の壁は趣のあるレンガ作りの壁です。広大な敷地のため、永延と続きます。
東京大学本郷

東京大学の土地は江戸時代、加賀藩前田家の上屋敷であり、赤門は13代藩主前田斉泰が第11代将軍徳川家斉の第21女、溶姫を迎える際に造られた門です。国の重要文化財に指定されています。
東京大学赤門

夏目漱石の長編小説『三四郎』で描かれる池、育徳園心字池。通称「三四郎池」
東大三四郎池

東京大学周辺おすすめの店

東京大学正門前の信号を渡ったところにある大正3年創業の老舗「万定フルーツパーラー」。
東大出身の芸能人も学士時代に通っていたというこの店のメインメニューは、カレーライスとハヤシライス。
どちらもシンプルな昔ながらの素朴な味で人気のメニューです。
店内はレトロな雰囲気で、特に昭和初期に作られ、今も現役で使われているレジが良い味を出しています。(単位が銭まであります)
東大前 万定
カレーライス     750円
ハヤシライス     850円
天然オレンジジュース 350円

万定フルーツパーラー
住所  :東京都文京区本郷6−17−1
営業時間:11:00〜18:00
定休日 :日曜日、祝祭日


東大赤門前の和菓子店「扇屋
季節の生菓子の他、ここ本郷にちなんだ登録商標「赤門もち」、本郷銘菓集「文学散策」、江戸本郷銘菓「加賀鳶」などあります。
なかでもオススメは「文学散策」です。
黒糖を主原料としたわらび餅「赤門もち」 ・パイ生地で杏をまるごと包み焼き上げた「いちょうの舞」・黄味あんの焼き菓子「御守殿門」がセットになった商品で、文学の街にちなみ、本のような箱に入っています。
箱を開けると、中には本郷界隈の文人にゆかりのある場所の地図が書いてある粋な作りで、贈り物に最適。
東大赤門前扇屋
東大赤門前御菓子処 扇屋
〒113-0033 東京都文京区本郷5-26-5(東大赤門前)
TEL 03-3811-1120(代)/ FAX 03-3811-3300
営業時間 平日 9:00〜19:00
     祭日 9:00〜17:00
定休日  日曜日


東大前の書店
東大周辺には出版社や書店が多く、法律関係専門や医学書専門などそれぞれ専門書を扱っているようです。
また、本郷には医療機器の会社も多く、印刷・製本関連と並び文京区の代表的な地場産業です。

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